現場はどんどん進んでいますが、木造の構造体と仕上もしくは仕上の一歩手前のの話をします。

家の真ん中にルーフテラスを設けているのですが、その構造体には、テラス床の下に火打金物、同じものを屋根を支えるために頬杖としても使っています。今回、頬杖を多く使っているので、断面欠損を考え、小断面の火打ち金物を使いました。それを外壁側に寄せで内側にグラスウールでくるんでいます。ヒートブリッジ対策です。

最初の写真アングルを反対から見たところ。斜め天井は防湿フィルム付グラスウールを使っても、耳の位置に野縁で抑えるというのは現実的ではありません。グラスウールを敷きこんだ後でフィルムを入れています。

バルコニー上部の平面的に斜め、立面的にも斜めの屋根の構造体を見上げたところです。図面では火打材を梁とボルトで引っ張るように描いていましたが、プレカット屋さんの方で座彫りやボルト穴を加工してもらえず、現場でも難しいという話になり、同等の耐力を持つフラットプレートで対応してもらうことになりました。監督さんからはこういうケースではパネリードを打っているという提案を受けていましたが、ビスの場合は引き抜きよりせん断方向で使いたかったので、右の写真のような金物を使いました。後で調べると、パネリードで所定の本数を打てば耐力が出るデータを見付けました。私の勉強不足でした。

仕上は杉板。外壁では焼杉を使い、内部っぽいところでは同じ産地の杉板を白っぽく染色しました。森の上にある住宅として、樹皮をイメージさせる焼杉+こげ茶の保護塗装を外側に使い、内部に見立てたバルコニーの袖壁は、木の断面が見える白っぽい塗装。リビングの白い壁とも調和させようというストーリー。

お施主様も、バルコニーの杉板に切り取られた風景を気に入ってくれています。