2017-04-19
1階床の打設が完了し、型枠施工中の写真です。
正面のオレンジ色の型枠と、木目の型枠が見えますが、この建物では2種類の型枠を使い分けています。
東日本震災以降、型枠合板は慢性的な品薄になっていて、普通合板の型枠は入らず、むしろ、以前は高級感を出すための塗装合板型枠が入るようになりました。オレンジ色のウレタン塗装を施した型枠がそうで、コンクリートがツルツルした仕上げになる型枠です。

木目の型枠は、杉板で浮造り(木目に沿って凹凸が出る仕上げ方)のものを入れています。そういう言い方をすると、随分高級なものを型枠に使用してるかのように聞こえますが、この板は節だらけで内外装の建材としては敬遠されがちなグレードのものを使用しています。塗装合板型枠の半分以下の値段のものです。ただし、小幅板を張り上げていくので人件費がかかります。ですから、仕上げの高級感というより、職人の手の痕跡が残るものにしたいというのが設計者の気持ちです。

写真は杉の小幅板の切りっぱなしを見ていますが、新品でももう反っています。乾燥が十分ではないそういうグレードのもので、この表情が外壁に転写されることで職人さんの手仕事が視覚化されていきます。