2015-11-29
先日、学生時代の友達が尋ねてきて、リフォームの相談を受けました。
「実家の耐震診断をしたところ、数値が悪いと言われたけど、実際どう?」
「耐震補強の具体的提案ももらったけど、こんな大掛かりなことはやらないって親父が言っててさ、この補強どう思う?」
大きくはこの2点です。私はセカンドオピニオンの役割です。
耐震診断は目視検査となり壁を剥がさないので筋交い(柱と柱の間にいれる斜めの部材で、構造上とても重要)がカウントされず、実際より数字が悪くなりがちです。それを差引いても、数値の悪いことは事実で、それでもお父上が「耐震補強はやらない」と言っているのは人命の観点から私としては捨ておけないものがありました。
耐震補強案は壁を記号化しており、ぱっと見では判断できず、ただ、家の中央部分に耐震壁を設けていく案であることだけ判りました。
「キッチンとリビングが分かれると、今までの暮らしができないんだよね。それを親父が嫌がってて。こういうリフォームって、外周で補強するのが多いみたいなんだけどさ」と友達。
事前に「大掛かりリフォームはやりたくない」と聞いていた私は「大掛かり」が問題なのだろうとの先入観から、
「あ、いやいや、外周のどこかで補強すると、その反対側の外周部も補強しないと家の剛性バランスが崩れるんだよ。あまりお金をかけない方法として、家の中心で補強することを提案したんじゃないかな。」
友達は理解しつつも、これでは親父は納得しないよな、という顔をしてました。
翌日、借りた耐震診断報告書および提案書をじっくり拝見。
提案書中の記号も報告書の中に出てくる凡例から読み取ったところ、キッチンのところをぐるりと耐震壁で囲ってしまっていて、入口が全然ない状態であることが判明。記号を読み解けば開口率のことが出てくると思っていたのですが、まさかの展開です。
この案の通りでは、キッチンが使い物になりません。提案とは言えない代物で、これを出した事務所もとりあえずのサービスだったのかもしれません。
元々、デザインの事があるからおまえに頼むよと言われてましたので、Seedsなりに補強案を考えようと思います。今までと変わらない生活スタイルができて、耐震補強の数値を同等のところまで持っていければ、、よし、やってみましょう!
(白崎泰弘)