2015-05-29
SEEDSでは、性能・コスト・デザインのバランスで物事を決めていきます。
木造の標準仕様として、断熱性を高めるために基礎断熱という方式を採用していますが、そのとき問題になるのが基礎の立上りと木造土台の接点。コンクリートは打設後半年ぐらいは水分を放散していきます。その水分を土台に吸わせないために気密フィルムを使うのですが、SEEDSではフィルムに弾力性の高いパッキン材が2列入っているものを採用しています。土台が乾燥収縮してもパッキン材で気密性を保持する仕組み。
上の写真で、土台からはみ出ているものが気密パッキン。はみ出ているものは後で切り落とします。
この写真は2階の開口から下を見下ろしたところ。柱の外側に構造ボードを張っていますが、青文字のプリントと赤文字のプリントが見えます。2種類の構造ボードを部位に応じて使い分けています。世田谷のこの地域は木造に防火構造が求められます。青字のほうは外壁仕上げに木を張っても防火認定が取れているもの。赤字のほうではモルタルの外壁でなければ防火認定が取れていません。ただしコストが安い。今回のデザインでは、焼杉の仕上げとモルタルリシンの2つが組み合わさるため、構造ボードも2種類を使い分けしました。外壁全体を青字の構造ボードでやれば防火構造になるし、施工も面倒くさくない(=間違えない)のですが、コストを抑えるのが大命題の住宅ですので、構造ボードの貼り分けを敢行しました。
ちなみに、青字のほうも赤字の方も、コストや防火認定の差のほか、透湿係数なども差があります。透湿係数は断熱材の種類とも関係してきます。
(白崎泰弘)